昨日。

娘の大学の卒業式が終わり、娘が車を止めていた山大の医学部の駐車場に送っていった。

あそこあそこと指先にある娘の赤い車は、右側にある野外駐車場。
ここで下ろしてもいいが、道路を渡らせんやいけんし、どうせ乗ってる車もUターンもしなきゃいけない。
だからUターンをして、車を止めた。

娘と彼氏が車を降り、周りの人達が娘の袴姿を見て笑顔を見せていた。
ははは、すいません。
ここで袴姿見たら、医学部卒業と思った人もいるかもね。(笑)

すると、その途端。
ドーン!!
という、凄まじいおとが響き渡った!

落ち着け!
と皆に言う。

一瞬にして事故だと悟った私は、土禁(既に死後)にしているために座席下から靴を出し、音の出どころを探すと、既に娘の彼氏が走り出しており後を追った。

有料駐車場出口のポールが吹っ飛んでおり、その先に車が停止。
火は出ておらず。
右前のタイヤが右に切ってパンクしており、これが事故車と判断。

中を見ると、不自然な形で、爺さんが横を向いて助手席に座っている。
すぐさま救助しないとと運転席を開け、中を確認。

後ろ座席は、衝撃で全て前に倒れている。
人は居ない。OK。

前の座席は・・・
80歳前くらいの爺さん一人、助手席に。
え、じゃ、運転していた人はどこに行ったの?

どうやらシートベルトもしていなかったから、衝撃で助手席まで吹っ飛ばされたようだ。

爺さん、大丈夫か!?

助手席のドアを背にして座っている爺さんに問いかけにも、意味不明の返事。
とりあえず、座席に座らせて怪我の部分を確認しなきゃと手を伸ばすも、車内は狭いんで力が入らず。
助手席に回ってドアを開けようとするも、爺さんも一緒に倒れてくるので押さえながら開けるのに一苦労。

後ろでは、彼氏が携帯で119番に電話し救急車を要請している。
こいつ、落ち着いてるな。(笑)

爺さんを座らせようとするも、オートマのシフトが股間に挟まり、プロレスの技のキーロック状態。
お父さん、エンジン切るねと、娘がキーを回しエンジンストップ。
これで安心して作業ができる。(*^ー゚)b グッジョブ!!

爺さんの体を持ち上げながら、太ももが挟まっていたシフトをかわし、爺さんを運転席に座らせることに成功。
運転席側のドアに周り、爺さんに痛いところはないかと聞くと無いという。

とりあえずは興奮状態から痛みなんか感じない事があるから、1つずつ摩って、もう1回痛みが無いか、変に曲がってる所がないか、血が出てないか、ここが痛くないか確認。

どうやら、見た感じ大丈夫そうだ。
フロントガラスに頭から突っ込んでいたら、血だらけだもんね。

ようやく駐車場の管理者が到着。
定年後に働いているおじさん達のようで、何か興奮してますが・・・

落ち着け、こっちの少し若い爺い。(笑)

アクセルとブレーキを間違えた・・・
爺いさんがつぶやきました。

ニュースでよく見るパターンですが、自分のすぐ後ろでそんな事が起こるとは・・・

とにかく出る。
車を動かすと言い張る爺い。

車はもう動かんからというも納得できないんで、しかたなく1回車から出し、車を見せたらもう動かないというのを確認し観念。

運転席に素直に座ってました。

救急車が来たら乗せられるんで、貴重品はというと、トランクルームにあると言い、立ち上がって取りに行こうとするんで鍵をひったくり、取りに行って爺さんに渡す。

他には?と、もう2往復し荷物を取り出し、爺さん、ようやく安心。
救急車のサイレンが聞こえてきたんで、車の処置に困るだろうと爺さんの鍵を駐車場の係員に渡そうとすると、いらんと言う。

私は関係ない!
と言い放つ。

車の鍵があった方が、駐車場に突っ込んだ車の処置に役立つだろうに。
鍵は爺さんに渡す。

もういいですと係員が言うんで、あ、そう。
と、後の処置を任せ、自分の車に。

遠くで救急車が、事故現場がわからず探していたんで、手を振って呼ぶ。
駐車場の係員、いらね。(笑)

何か興奮して、係員同士、口喧嘩してますが。(笑)

救急隊員も、山大の医学部の敷地内で起こったんだから、直に運べよなと思うかも。
いや、自分が隊員なら絶対思う。(笑)


娘が駐車場から出てくるまで、現場検証をしていたんだが・・・

違うかもしれんが、私の見解は・・・

爺さん。駐車場に入ろうとして右折。
が、そこは入口でなく出口というのが分かりブレーキ。

が、ブレーキとアクセルを間違え加速。
さらにフルブレーキをかけるつもりが、ペダルが違うからアクセルマックス踏み。

反射的に右にハンドルを切り、花壇に右タイヤぶつかって衝撃でぶっ飛んでアクセルペダルから足も離れ停止。

こんなもんだろ。

しかし、思い返すと怖い。
車のUターン最中に突っ込まれていたら・・・
まだ、これなら車が凹んでガードとなり、少しは怪我の軽減にもなっていたかもしれんが・・・

もし、娘たちを下ろすタイミング、位置が違っていたら・・・
その出口から駐車場に入っていた彼氏と娘が巻き込まれていたかもしれん。

ゾーっとしてしまいました。

タイミングというのは、一生を左右してしまうものだと、改めて思う座敷童子でした。

1つの収穫。
娘の彼氏は、こんな時にも落ち着いて行動。
合格!